Operatio 5こちらも模擬戦が終わり、持参していたドリンクで気持ちを落ち着かせていたエリオスだが、一瞬不快なノイズのような感じを察知し、その方角に機体を傾ける。「エリオス准尉も感じました!?」 ウモンも同じ様な感じがしたらしく、同じ方角に機体を向ける。 「2人ともどうした?」 その不自然な行動を不振に思い、2人に合流したシフォンが問いただす。 「いえ・・・解りません」 「只、何か感じたような気が・・・」 シフォンはレーダーサイトを広範囲広げるが、特に怪しいところは見当たらない。 「カンか?」 クワトロも2人に問いただす。 「わからないんです、でも頭が引っ張られる様な感じがしました・・・」 「コントロール!!2人が何か感じてる、外してやってくれ」 その言葉を受け、クワトロは即座にベオグラードに無線を飛ばす。 「そうか・・・構わん、行かせてやれ」 その無線を聞いていたシン艦長は少し間が空いたが二人の離脱を許可した。その言葉を聞いてオペレーターのミユキ伍長は 「了解です、タイフーン1、サイクロン2、5の離脱を許可します」 「お墨付が出た、10分間やる、見に行って来いサイクロン2」 クワトロの言葉に 「え、でもこんな曖昧な事で」 流石にエリオス准尉は戸惑っているが、クワトロ中尉は更に続けて 「宇宙では間抜けなセンサーより当てになる、構わん行って来い!」 そう言ってウモンとエリオスの2人を現在のパトロール空域から送り出す。 「大丈夫でしょか?!」 不安になりシフォンがクワトロに問いかけるが、 「私よりあの2人のほうがよっぽど噂の「ニュータイプ」の確率が高い気がするが・・・ミユキ伍長から言わせれば、私は古いタイプの人間らしい・・・」 シフォンからしてみれば、訓練時の様な動きが出来るクワトロの方が余程「ニュータイプ」の様な気がする。 暗礁空域をウモンとエリオスはお互いの死角を無くす様に行動していた。 「なるほど、こいつは身を隠すには好都合な場所ですね、エリオス少尉・・・」 「岩が多いからなんとも・・・」 そう言いながらも、エリオスは何かイヤな感じがしていた。 「左を!」 「えっ?!」 エリオスの言葉にウモンは驚きながらも左側のモニターを確認し岩陰から光が漏れるのが見えた 次の瞬間ビームが放たれる。 「打って来た!!ジオンのMS?」 しかし、エリオスはその方向からMSの機影は確認できなかった。 「解りませんが・・・き、来ますよ」 ウモンの言葉通りに、その巨大な機体が姿を現す。 「なるほど、隠れたくなる位の馬鹿でかさだ」 その獰猛なシルエットであり、正面から見ると上に一門、機体下部に三門の二連メガ粒子砲を持つ巨大MAのようだ。 「攻撃が妙な方向から来ます、気を付けて」 「え、わー」 ウモンの声がエリオスの無線に飛び込んでくるのとほぼ同時にMAのメガ粒子砲が上下からの攻撃を仕掛けウモンの乗るジムに被弾させたのをモニター越しに確認できた。 「ウモンの仇!」 そうエリオスが叫ぶと 「死んでませんよ!」 間髪いれずにウモンが反論する、だが機体は外から見るとかなりの被害が見受けられ、ジムの右腕が存在しない。機体が爆発しないのが不思議なくらいだ。 エリオスはビームをMAに向けて2射する。 それはかつてない早業であり、機体が代わりシフォンとのシミュレーション訓練の効果がこれほど出るとは思わなかった。 MAから数百メートル離れたポイントからメガ粒子砲のビームが連射された。 「!」 予測しなかったタイミングとポイントからの攻撃。ライトアーマーのランドセルと足裏のメインノズルが機体を左方向に移動させる。 別の敵を想定しつつも、同じ敵からの攻撃と判断し、攻撃を仕掛ける。 MAの右側からケーブルに繋がったメガ粒子砲からの2連射がエリオスに迫る。 そこで、エリオスはようやく目の前のMAがケーブルによるコントロール機能を備えた砲塔を持っている事を知った。しかも、機体から数百メートル離れた位置から自在に照準をつける。それは、四方向から任意の狙撃ができることを意味していた。 「こんな装備がより小型化されたら、冗談じゃないな・・・」 そう思わずエリオスは言葉を発した。 「新型!いつの間にか!」 戦闘に気が付き、シフォンとクワトロの2人が合流してきた。2人はいち早くMAに気が付き、手にしたバズーカーとライフルを連射しながらMAを追尾する。 「気をつけて下さい!機体とは別の方角の攻撃もきます!」 エリオスの言葉が2人のヘルメットに響き渡る。 クワトロのレッドウォーリアはバズーカーの照準を取りながら、MAを追い詰めていく。 MAの四門の砲が感覚を置いて照準をとる。シフォンの放ったビーム攻撃が発射しようとしていた、MAのメガ粒子砲のビームに直撃したらしい。閃光が膨れ上がり、MAとの間に渦巻く。 「!」 3人はすばやく機体を後退させるが、ウモンのジムはその砲塔の爆発の波に呑まれ、機体が爆圧の拡散に流される。 エリオスは敵対距離をとらなければ危険だと直感した。 MAがワイヤーを最大限に延ばし、三門の砲塔を使い、エリオスのライトアーマーを狙撃しようとしていた。 だが、エリオスは敵MAの癖とこの攻撃の特徴を見抜いていた。すばやくMAの正面に位置したライトアーマーのビーム砲が細く光条を曳き、MAのコックピットを直撃した。 その攻撃はメインエンジンにも触れて、巨大な光芒を咲かせた。 その光を見ていると接触回線を使い、クワトロは機体の左腕をシフォンのジムの右肩に置き話しかけてきた。 「流石はシフォン少尉の部隊だ、噂以上の腕前で、私も久しぶりに熱くなったよ、好い訓練になった」 そう感想を述べたクワトロがシフォンの機体から離れると、被弾したウモンの機体を回収して、4人は重巡洋艦ベオグラードとの合流ポイントに向かった。 ジャンル別一覧
人気のクチコミテーマ
|